子宮筋腫
良性の子宮筋の内部に発生する平滑筋腫です。
筋腫が小さい場合には自覚症状はない場合もあります。
40歳代以上の方に多く見られ、
過多月経や不正性器出血、
それに伴う鉄欠乏性貧血、腹痛が症状として現れます。
また子宮筋腫が大きい場合は、
膀胱を圧迫し頻尿が生じる場合もあります。
エストロゲンというホルモンによって大きくなりますが、閉経後はエストロゲンも減少するため、
子宮筋腫の発育も停止し、
次第に小さくなるといわれています。
また悪性疾患である子宮肉腫との判別が必要です。
子宮筋腫が大きくなる方向によって3種類に分類されます。
①筋層内筋腫
子宮筋腫が正常な子宮平滑筋内にある状態です。
子宮筋腫のほとんどがこのタイプです。
②粘膜下筋腫
子宮筋腫が子宮内膜のすぐ下にあり、
子宮の内側に向かって大きくなっている状態です。
過多月経や不正性器出血、
痛みの症状が最も多くみられます。
また、子宮筋腫の部分が茎のようにぶら下がり(有茎性)、
子宮口から飛び出した
筋腫分娩と呼ばれる状態になることもあります。
不妊の原因となることもあります。
③漿膜下筋腫
子宮の外側の漿膜のすぐ下に発生している状態です。
子宮筋腫の10~20%を占めるといわれています。
超音波検査や内診を行い診察します。
治療法は患者さんの年齢や筋腫の大きさ、
自覚症状の程度により異なるため、
よく話し合いを行ったうえで決定する必要があります。
子宮内膜症や子宮腺筋症と
同様の薬物療法を行うことができますが、
薬の中止によって再度筋腫は大きくなるため、
根本的な治療は手術となります。
筋腫の大きさ、MRI検査やCT検査の結果を踏まえ、
悪性の可能性が低い場合には半年ごとの経過観察とし、
閉経を待つパターンもあります。
より詳しい検査や手術が必要な場合は
専門機関へとご紹介いたします。