子宮頸がん
ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することによって子宮頸部に発生するがんです。
日本では年間約1万人の女性が罹患し、約3000人もの方が亡くなっているのが現状です。
(日本産科婦人科学会HP)
子宮頸がんは30~40歳代の若い世代での発症が多いです。
25~34歳の女性の浸潤がんでは、乳がんに次いで2番目に多い疾患です。
日本より早期にHPVワクチンの接種を開始したオーストラリアやイギリス、米国では、
HPVワクチンにより、HPV感染や前がん病変が減少しているという報告があります。
多くの場合は性交渉によってHPVに感染してすぐに、体内の免疫によって持続感染は妨げられます。
また感染して異常な細胞が増殖した場合でも、免疫細胞がこれらの異常細胞を排除することでがんには至りません。
しかし何らかの理由によって、これらの免疫の作用を受けなかったHPVによって一部で子宮頸がんが発生してしまいます。
子宮頸がんはウイルスに感染してすぐに発生するものではありません。
数年の時間を経て徐々に異常細胞が増え、がんとなります。
そのため、定期的な頸がん検査が有効です。
感染しているからといって、すぐに何か治療をしなければならないとも限りません。
一時的に感染しても自然と治癒することも多く、定期的な検査で経過を見ながら過ごす方も多くいらっしゃいます。
また、まだがんになっていない状態(前がん病変)で治療を行うことで、病気の進行を食い止めることもできます。
HPVには子宮頸がんを引き起こすハイリスク型というものがあります(特に16、18型が最も多いです)。
現時点で感染しているHPV型を調べる検査もあります。
HPVワクチン・定期的ながん検診に併せて、ご希望のある方はご相談ください。
子宮頸がんの症状は早期にはないことが多いです。
腫瘍が増殖してくると性交時痛や不正性器出血、悪臭を伴うおりもの、血性のおりもの等異常なおりものがみられます。
早い段階で病変を見つけるためにも、定期的な検診を受けるようにしましょう。
当院では内診、細胞診、組織診を行っております。
必要に応じて、専門機関へと速やかにご紹介いたします。